腸閉塞(イレウス)
(1)症状
- イレウスというのは、腸が閉塞して腸の内容が流れなくなる病気で、腹痛のほかに吐き気や嘔吐、腹部膨満、便・ガスが出ないという3つの症状がありますが、必ずしもこれらの全ての症状を備えているとは限りません。
- したがって、腹痛のほかに、残りの3つの主症状のうちいずれかがある場合には、イレウスを疑ってかかる必要があります。
- そのような症状があるときに急に腹部が締め付けられるような痛みがあり、腹部がごろごろと鳴り、しかも腹部に圧痛がないときは内科的に治療する余裕がありますが、腹部のゴロゴロ鳴る音がなくなり圧痛が著明になれば、腸が破れて腹膜炎になりやすいので早く手術をしないと危険です。
- イレウスのうちでも、小児の腸重積は粘血便があり、上腹部にソーセージのような腫瘤を触れることが特徴です。
- ヘルニア嵌頓は、鼠径部や大腿部、あるいは手術の跡に圧痛を感じる腫瘤を触れますし、以前からヘルニアのある人に起こりやすいものです。
- 腸ねん転は、もともと便秘がちな人の腹部がパンパンに膨満する場合が多く、前述のイレウス症状のいずれかを有しています。
- その他、以前に腹部の手術を受けたことのある人にはじめに記したような症状が見られれば、イレウスを疑う必要があります。
(2)診断と治療
- いずれも、問診によって上記のイレウス症状が見られた場合には、腹部のエックス線写真を撮る必要があります。
- 小児の腸重積の場合には、バリウムを肛門より注入して診断を行いますが、それによって腸重積が戻ることもあります。戻らない場合は手術をします。
- イレウスの中でも腸の血管を締め付けているような病気、すなわち小児の腸重積とか、ヘルニア嵌頓、腸捻転、あるいは前述のような腸の破れる恐れのあるようなものは、原則としてすぐに手術をしなければなりません。
- 軽症例では、とりあえず食事を制限して安静、臥床を守ることから始めます。
(3)回復後の注意
- 手術を行ったときも、あるいは手術を行わないで退院したあとも、食事は軽くて消化の良いものをとるようにして、だんだん常食に戻るようにします。
- 退院後に同じようなイレウス症状が出た場合に、食事を普通にとれば、閉塞部より上のほうに腸の内容物がたまって、ますます閉塞が激しくなりますので、食事の制限を行い、安静を保たなければなりません。
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