椎間板ヘルニア
(1)椎間板ヘルニアの原因
- 腰椎の椎間板ヘルニアは、脊椎の上下からの衝撃を緩和するクッションの役目をしている椎間板という軟骨組織のうち、その中央部にある、柔らかい髄核が後方に突出したり、さらに椎間板や靭帯の隙間を貫いて飛び出してきて、脊椎の後方にある脊髄神経を圧迫するために、下肢に放散する神経痛と腰部痛が起こる病気です。
- 椎間板ヘルニアは、変形性脊椎症が比較的高年の人に見られるのに比べて、2〜30歳代の人に発病することが最も多く、10歳代の後半にもかなりみられています。
- また女性よりも男性に多く、ほぼ1対4くらいの比率になっています。
- 特に重労働の人に多いということは無いので、体質的な素因が関係するのではないかと考えられています。
(2)症状と診断
- 病気の起こり始めは、重いものを持ち上げたときに急激に起こる、いわゆる「ぎっくり腰」であることは少なく、むしろその発症は緩やかで、腰部痛及び下肢痛に始まります。
- まず、せきやくしゃみをしたときに腰部及び下肢に拡散する痛みがあったり、下肢のしびれ感がおこったりします。
- 軽症のものであれば、たんなる腹部の痛みと下肢の痺れくらいにとどまりますが、重症のものでは、痛みのために下肢を伸ばして仰向けに寝ることもできなくらいです。
- 立っている姿勢では、体幹を前後に曲げることができなくなり、痛みを避けようとして体を横に曲げて立つようになります。
- 下肢の症状としては、腱反射の低下あるいは消失、知覚の障害、筋の萎縮などがヘルニアの程度によって起こってきます。
- また背臥位で下肢を上げることも制限されてきます。
- 医師は、この症状を詳細に検査することによって、ヘルニアがどの椎間板から出ているのかをおおよそ知ることができます。
- それによるとヘルニアは、下肢腰椎の椎間板、ことに第4腰椎と第5腰椎の間と、第5腰椎と第1仙椎間の、これら2つの椎間板から出るヘルニアが、そのほとんどを占めています。
- 以上の神経学的検査とエックス線検査から診断は容易ですが、一般的な血液や尿の検査ももちろん必要です。
(3)治療
- 軽症のものでは内服薬、理学療法などの外来治療でよいのですが、症状の進んだものでは安静が必要です。
- 自宅安静の場合には、からだにとって楽な姿勢で寝ることです。
- できれば入院して、骨盤牽引や硬膜外ステロイド注入療法をしたほうがよいでしょう。
- 以上の保存的療法を数週間行って効果がない場合には、手術的治療が行われます。
- 手術の方法は、背中のほうから脊髄に達する方法と、腹部から直接椎体に接する方法がありますが、年齢、症状、程度によってどちらの方法がとられるかが決められます。
- 手術後は、脊椎の構築上重要な部位である椎間板にメスが加えられるのですから、ここに過度の負担がかからないように、中腰で物を持ち上げるようなことは避け、予防のため背筋、腹筋の強化のために体操などを行うことが大切です。
- 手術後は少なくとも焼く半年間は重労働を避ける必要があります。
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