乳がん
(1)乳がんの症状
- 乳がんの症状でいちばん大切なのは、乳房に触れるしこりです。
- ほとんど全ての乳がんは乳房にしこりを触れます。
- 乳がんのしこりは、硬くて周りの乳腺組織との境があまりはっきりせず、痛みもありません。
- しかし、なかにはしこりの境がはっきりしているものや、少し痛むものもあります。
- また、実際にはしこりが硬くても、まわりの脂肪組織のためにやわらかく感じることもあります。
- しこり以外の症状として、乳房の皮膚にえくぼのようなひきつれができたり、乳首がひっこんだり、乳首から血液の混じった液のでることもあります。
- また乳首が湿疹のようにただれる特殊の乳がん(ページェット病)もあります。
(2)乳がんのできやすい場所
- 乳房にがんのできるところは、乳首を中心として外、内、上、下にわけると、外上の部分に一番できやすく、次いで内上部、外下部、中央部、内下部の順になります。
(3)乳がんの転移
- 乳腺にできたがん細胞は、リンパ管を通って、腋窩のリンパ節に転移し、このリンパ節がはれます。
- そして、鎖骨下のリンパ節に転移し、さらに鎖骨の上のリンパ節に進みます。
- 胸骨の近くの肋骨の裏にあるリンパ節に転移することもあります。
- また、がん細胞は血管に入り、肺、骨、肝臓などへ転移することもあります。
(4)乳がんの診断
- 乳がんの診断には、まず第一に乳房を触診し、しこりがあるかどうかを確かめ、しこりがあればその性質をよく調べます。
- 補助診断法として、乳房のエックス線撮影や超音波の検査があり、乳首から分泌物があれば、これを染色して細胞診を行うこともあります。
- また、しこりを切除して、組織学的に検査することもあります。
(5)乳がんの治療
- 乳がんの治療は、乳房切除という手術を行います。
- これは乳腺と腋窩のリンパ節をきれいに取り去る手術で、手術の危険性はありません。
- また手術後に放射線療法、内分泌療法、化学療法などを行うこともあります。
- 乳がんの治療の成績は、腋窩リンパ節にがんの転移がないと、9割以上の人が完全になおります。
- リンパ節転移が多くあればそれだけ治る率も悪くなります。
- しこりは小さいほどよくなおるといえます。
- したがって、しこりが小さくて、腋窩リンパ節に転移の無いうちに発見し、適切な治療をすることが大切です。
(6)早期発見のための自己検診
- 乳房のしこりを早く発見するためには、定期的に乳房の自己検診をすることを是非おすすめします。
- 自己検診の方法は以下のとおりです。
- 仰向けに寝て、右腕をからだのわきにつけた姿勢で、左手の親指以外の4本の指をそろえます。そして指の腹で、右の乳房の外側から内側にむかってなでるように、あるいは軽くもむようにして、しこりを調べます。このとき注意することは、指先でつまむと健康な乳腺をつまみ、しこりのように感じてしまうことです。指の腹でなでるようにしてみることが大切です。
- 右手を頭の下において、胸の筋肉を緊張させ、乳房の内側から外側に向かって調べます。
- 鏡の前に立ち、両手を下げた姿勢で、乳房が引きつれていないか、乳首がひっこんでいないか、乳首の向きがかわっていないかを確かめます。
- 両手を挙げた姿勢のとき、乳房の皮膚の一部にえくぼのような小さいひきつれがないかを良く見ます。
- なお、しこりを触れてもがんとは限りません。
- 良性のしこりの場合のほうが多いのですが、いずれにしても、そのときは専門医にかかるべきであると思います。
家庭の医学へ