脳卒中とその種類
- 脳卒中は血管が破れて出血する「頭蓋内出血」と、血管が詰まって血液が脳に運ばれなくなって脳組織が死んでしまう「脳梗塞」の2つに大きく分けることができます。
(1)脳出血
- 脳出血は高血圧によるものが大部分です。
- 高血圧を放置しておくと、脳実質内の血管がもろくなり、破れて出血をします。
- 脳出血発作は日中の活動時に起こりやすく、突然強い頭痛を訴え、急に片麻痺や言語障害が起こり、急速に意識がおかされ、ついに昏睡状態になってしまいます。
- その間に嘔吐したり、両眼が麻痺側と反対方向に向いたりします。
- また脳出血の特徴は、高血圧患者に麻痺と意識喪失が急激に起こること、頭痛のあることの2つです。
(2)被殻出血
- 脳出血の好発部位は被殻といって、手足の運動をつかさどる神経線維が束になって走っている部分のすぐ外側で、そのために半身全部が麻痺するわけです。
(3)視床出血
- 内包のすぐ内側にあり、感覚をつかさどる視床の出血も比較的多く見られます。
- 片麻痺や感覚障害があり、両眼が鼻先を見るように下を向いていることがあります。
(4)橋出血
- その他、中脳と延髄の間にある脳橋という比較的限局した重要な部分に出血することもあります。
- この場合には両側の麻痺が起こり、瞳孔が針の先のように小さくなり、昏睡も深く、呼吸が非常に速く深くなり、多くはそのまま死亡します。
(5)小脳出血
- 小脳に出血した場合には、突然激しい頭痛、めまい、反復する嘔吐で始まり、はっきりした麻痺は無いのによろけて立てず、歩けなくなってしまいます。
- ついでしだいに昏睡に陥り、脳橋出血と同様の症状を示すようになります。
- しかし、早期に診断できれば脳外科で救命できます。
(6)くも膜下出血
- くも膜下出血は、脳の底面にある動脈の一部がこぶのように膨らんだ動脈瘤が破れるか、あるいは脳の動・静脈奇形が破れて起こります。
- 特に後者は若年者でも起こり、てんかん様の痙攣発作の既往がある場合に多く見られます。
- くも膜下出血は、突然、頭が割れるような激しい頭痛で発症し、数時間以内に昏睡になってしまいますが、意識障害は一過性のことが多く、麻痺はあまりはっきりとしないことが多いです。
- また、仰臥位で頭を持ち上げてみると、首が硬くて曲がらないことがあり、腰椎穿刺を行って髄液をとると、血清になっているので診断がつきます。
(7)脳梗塞
- 脳梗塞には脳血栓と脳塞栓があります。
- 脳血栓は脳動脈が動脈硬化によってしだいに狭窄を起こし、ついに閉塞してしまうものです。
- 脳塞栓は、心臓や大血管内にできた血の塊(血栓)が血液とともに脳に流れ込んで引っかかり、脳血管閉塞をおこすものです。
(7)−1脳血栓
- 脳血栓は片麻痺や言語障害、そのほかの脳症状が比較的急にあらわれますが、その始まりかたは出血の場合よりもゆっくりで、症状が数分ないし一日以上かかって徐々に進行します。
- 安静時に発症することが多く、起床時に発見することもしばしばあります。
- 意識障害は比較的軽いことが多く、頭痛はありません。
(7)−2脳塞栓
- 脳塞栓の症状は脳血栓に似ていますが、発症がより急激で、通常、心臓疾患をともなっている場合が多く、ひっかかった血栓の大きさによって症状の程度が異なり、重症の場合には脳出血と似ていますが、軽症の場合には急速に回復することもあります。
家庭の医学へ