脳梗塞
- 脳梗塞とは、頭蓋内の動脈が閉塞するために、その血管が灌流する領域の脳組織が壊死に陥るものです。
- 脳梗塞は脳血栓と脳塞栓に分けられます。
(1)脳血栓
- 脳動脈が硬化すると、そこに血液が固まって血栓となり、血管が閉塞すると、やがて血流が途絶します。
- 脳血栓は急激な発作として出現することもありますが、多くは緩やかに発病します。
- 例えば、朝、目が覚めたときに片方の手足が動かなくなったことに気づいたとか、食事中に、箸がしっかり持てないようになったとか、茶碗を落とした、食卓にうつぶせに倒れたとかいう形で始まる場合が多いようです。
- また、舌がもつれてうまくしゃべれなくなったということもあります。
(2)脳塞栓
- 脳塞栓は頭蓋内以外のところにできた血の塊が、血流によってその部位から頭蓋内に運ばれ、そこで閉塞を生じる場合です。
- したがって脳塞栓は心臓に異常があったり、頚動脈、大動脈部に異常がある患者が多いものです。
- 脳塞栓は、脳出血と同じように急激な発作として発病します。
(3)症状
- 発現する症状は、脳出血の場合とよく似ており、梗塞の起こる場所、障害血管の太さによってまちまちです。
- しかし、発現する症状によって大体の障害部位が確定できます。
- 多くは片側の手足の運動障害とか、意識障害があります。
- 又、時には言語障害、顔面神経麻痺、嚥下障害、知覚障害などをともなうこともあります。
(4)治療と予後
- 急性期の処置は脳出血に準じますが、血栓を溶かすために、ウロキナーゼを用いる場合があります。
- 又、発作後1〜2週からは脳循環改善剤、脳代謝改善剤なども用いられますが、脳梗塞の場合は、血液凝固に関連があると考えられるので、血液凝固阻止剤、とくに血小板機能抑制剤の適応が考えられます。
- 外科的治療については、適応の範囲が極めて限定されますので医師の判断に任せざるを得ません。
- 外科的療法としてバイパス手術が行われることがありますが、手術の適応についてはまだはっきりしない点もあります。
(5)一過性脳虚血発作
- 一過性脳虚血発作は、脳梗塞の前兆として大切な意味を持っています。
- 血液の小さな塊が、脳の血管を一時的にふさぐために起こるもので、一時的に意識障害が起こり、半身不随あるいは手足の麻痺をともないます。
- また、同時に、舌のもつれ、感覚の麻痺、めまい、視力障害なども起こります。
- 一般に突然発症して、2〜3分で症状は完成し、数分あるいは1〜2時間続いて完全に治ってしまいます。
- 時には、更に長く続くこともありますが、長くても24時間以内に消失して、あとにはまったく症状が残りません。
- これは血管をふさいでいた血液の塊が溶けてしまうので、あとに症状を残さないで回復してしまうのです。
- このような発作は一時的で短時間のうちに症状が消失するために、たいしたことではないだろうと思いがちですが、一過性脳虚血発作は跡で脳梗塞を起こす頻度が大変高いので、発作のあとは必ず病院の受診を受けなければいけません。
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