眠りに関するetc.
(1)睡眠の生理
@必要な睡眠時間
- 研究の結果では、一日の3分の1の8時間が、ほぼ妥当な睡眠時間だとされています。
- しかし、睡眠時間には多少の個人差があり、要は、心身の違和感や苦痛を感じないで日常生活が送れる範囲での睡眠がその人にとって生理的睡眠時間といえます。
A睡眠の相と周期
- 睡眠中に人を見ていると、その状態はいつも同じではなく、睡眠時間の経過に伴って変化し、1つの周期をつくっています。
- 1つの周期は約1時間半から2時間くらいですので、8時間の睡眠中に4回から6回の周期の繰り返しがあることになります。
B深睡眠
- 激しい身体運動をしたあとの睡眠では、深睡眠が多いことからみてもわかるように、身体的疲労の回復にはぜひとも深睡眠が必要です。
- 深睡眠が不足すると、不快な脱力感や不調和感を訴え、意欲が減退し、憂鬱な状態になります。
- また、しきりに不眠を訴えます。
C逆説睡眠(REM睡眠)
- 睡眠の周期の最後にあらわれる逆説睡眠というのは特殊な睡眠相です。
- この時期には、急に筋肉がだらりとする、目が早く動く、呼吸や脈拍が不規則になる、手の指や顔などが軽くけいれんする、抹消血管が拡張するなどの現象が現れます。
- このうち、特に速い(Rapid)目の(Eye)動き(Movement)が特徴的で、その頭文字をとってREM睡眠と呼ばれます。
- 逆説睡眠中の脳波は、一見覚醒時の様相を呈しているのですが、この時期に目を覚まさせることは大変難しいことから逆説睡眠と呼ばれています。
- また、夢の80%はこの時期に見るといわれており、逆接睡眠は脳自身がその機能を調整し、栄養を補給している時期であると考えられています。
D睡眠と自律神経系
- 私たちの体は、私たちの意志にあまり関係のない一つの独立した神経系統によって支配され、調節されています。
- この神経系統は自律神経系と呼ばれ、不安、恐怖、怒り、哀しみなどの中枢である大脳辺緑系や、睡眠に関係のある視床下部の網様体と密接に関係しています。
- この神経系には、活動的な相を主に支配する交感神経系と、休息的な相を主に支配する副交感神経系とがあり、バランスをとっています。
- 睡眠に入ると、副交感神経の支配下にうつるため、脈拍や呼吸がしだいにゆるやかになり、血圧は下がり、瞳は小さくなり、筋の緊張は弱まり、いろいろな代謝活動は低下し、体温は下降し、消化液の分泌も減少し、尿を作る働きも減少して、尿量が減るという状態になります。
- 覚醒から睡眠へ、睡眠から覚醒への移行を自律神経機能の面から考えると、交感神経支配から副交感神経支配へ、副交感神経支配から交感神経支配へということになります。
- この2つの神経支配の切り替えが敏速に行われれば、入眠も覚醒もスムーズにいきます。
- しかしこの切り替えの遅い人は、入眠時には交感神経の興奮がなかなかひかないので寝付かれなくなり、覚醒時には副交感神経の休息がのこっているので目覚めがわるいなどの苦痛を訴えることになるわけです。
(2)眠れない・寝つきがわるい
@不眠ノイローゼ(不眠恐怖症)
- 眠れないといっていながら実際にはかなりよく眠っているのでそれほど心配することはないのですが、本人は「ほとんど眠っていない」と思い込んで悩んでいるというケースです。
- これは本当の不眠症ではなく、眠れないということを意識しすぎる結果、不安や恐怖にかられている状態です。
- 不眠ノイローゼの人の多くは宵っ張りで、夜遅くまで起きており、寝つきも悪く床に入ってもすぐには眠れない傾向があります。
- 不眠ノイローゼから抜け出すためには、規則正しい日常生活を送るように心がけることが大事ですが、自分の努力だけで改善できない場合は専門員に相談するのも良い手だと思います。
A真性の不眠症
- これは、実際に睡眠が障害されていて、眠れないと苦痛を訴える場合です。
- 老人の不眠症の多くは脳動脈硬化が原因となっておこります。
- うつ病の場合にも真性の不眠症がおこります。
- この場合は明確な精神病ですし、不眠を苦にして自殺することさえありますから、早急に専門員の相談を受けることが必要です。
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