まぶたと涙道の病気
(1)麦粒腫(ものもらい)
- 主に化膿菌である黄色ブドウ球菌の感染によっておこり、まつげのそばにあるツァイス腺という皮脂膜が化膿したり、まぶたの裏側のマイボーム腺が化膿して、まぶたが赤く腫れて痛みを生じます。
- 予防としては汚い手でまぶたをこすらないようにすることです。
- 指先で軽くまぶたをつついてみると、特に痛みの激しい部分がありますが、その箇所がこの病気の病巣です。
- 外眼角部にできた麦粒腫は、まぶた全体が腫れ、結膜も充血し、むくみを生じます。
- また症状が強くなると、病気側の耳前リンパ節の腫れと痛みを生じることもあります。
- 軽い場合は、数日から1週間くらいで自然に治ることがあるので、そのまま放置する人もいますが、病気が進行するとまぶた全体が膿瘍になったり、さらには周囲に広がって、全身的にも重篤な症状を呈することがあります。
- したがってやはり早期に専門医にかかる必要があります。
- とくに乳幼児や老人の場合にはこの点が重要です。
- 治療は抗生剤の投与により化膿を防止します。
- 化膿したものは自然に排膿するのを待つのが原則ですが、ときには切開する処置をすることがあります。
- 排膿後、膿の一部が結膜やまつげの根元に残り、急性の結膜炎や眼瞼縁炎(ただれ目)を起こすこともあります。
- また、繰り返す麦粒腫に対しては、治ったあとも1週間くらい抗生剤の点眼を続けることが必要です。
- 中には、治ったあと、病巣部に一致して小さなしこりを残すこともあります。
(2)霰粒腫
- 霰粒腫は麦粒腫とよく似ていて実は違う病気で、まぶたの内部のマイボーム腺という分泌腺にできる肉芽性の炎症のことです。
- 慢性の場合には、いつのまにかまぶたの中にぐりぐりした硬い腫瘤が生じ、発赤や痛みもなく、徐々に大きくなってきます。
- また急性のものは内麦粒腫と間違えられやすいのですが、患側の耳前リンパ節の腫れがありません。
- 原因が不明で予防することの難しい病気ですが、マイボーム腺の分泌過多に関係があるようですから、結膜炎にならないように注意することが大切です。
- この病気を放置しておくと、自然に吸収されていく場合と、まぶたに小指の頭大から親指の頭大の巨大の瘤をつくったり、また結膜面に破れ内容物が突出し、不気味な腫瘍を思わせることがあります。
- 大きくなったときは、切開して内容物を取り出します。
- 同一人によく多発、あるいは再発する傾向があります。
(3)眼瞼縁炎(ただれ目)
- 原因は様々で、結膜炎、湿疹、鼻炎、耳垂れなどのある子供によくみられ、大人では、細菌の感染などにより起こります。
- 若い女性では、体質的なものもあります。
- まぶたの縁が発赤し、まつげの根元にかさかさした目やにのような小片がついたり、内外眼角部の皮膚がただれたりしてきます。
- またアレルギー性のものはひどいかゆみがあります。
- 治療としては原因別に行います。
- なおこの病気の発生にはビタミンB6、B2の不足も関係するといわれていますので、これらの薬剤を使用することもあります。
(4)涙嚢炎
(4)−1 慢性涙嚢炎
- トラコーマの合併症として、中年以上の人に多く見られますが、最近では減少しています。
- 主な原因は、鼻涙管狭窄にともなう細菌の感染によるもので、涙嚢部を指で押すと、膿性の粘液が排出してくるので、診断がつきます。
- 常に涙が出て、がんこな慢性結膜炎をともないます。
- 抗生物質で涙道を洗浄するのが主な治療法ですが、症状によっては涙嚢を摘出することがあります。
- しかし流涙をとめることはできません。
- そこで現在では涙嚢を摘出せず、涙嚢と鼻腔をつなげる涙嚢鼻腔吻合術が行われています。
- これにより慢性涙嚢炎と流涙も治すことができます。
(4)−2 急性涙嚢炎
- 慢性涙嚢炎が既にあって、そこからその病原菌が涙嚢周囲に波及し、蜂?識炎を起こすことがあります。
- 涙嚢部を中心にまぶたや時には頬にまで及ぶ強い発赤、疼痛、腫れを生じます。
- 進行すると周囲に広がって、重篤な合併症をともなうこともあります。
- また、この急性涙嚢炎は新生児の場合にも認められます。
- 新生児の場合には先天的に涙道の一部に通過障害があり、出生直後より流涙、目やにが出ます。
- 抗生剤の点眼薬でなおりますが、結膜炎がすぐ再発します。
- これに細菌感染をおこすと急性涙嚢炎となります。
- 新生児だけに経過が早く、症状が悪化しますので早期に専門医の治療を受けるべきです。
- 治療は強力な化学療法が必要です。
- 予防は急性涙嚢炎を起こす前に、涙嚢洗浄やブジーにより涙道の通過障害を治療しておきます。
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