胸壁が痛い
- 胸壁の痛みは一般に限定していて、かなり鋭い痛みです。ですから自分で痛む場所をはっきり指摘できることが多く、生命に重大な影響を与える病気はありません。
(1)大胸筋痛
- 筋肉労働や、テニス、ゴルフのような運動で胸筋を使いすぎたり、肥満した人が前かがみで、背筋を使わずに腕だけで物を持ち上げようとして、過度に胸筋を伸ばして筋膜を痛めたときなどにおこります。
- 痛みはずきんずきんとするかなり頑固な痛みです。
- 胸筋をつかんで強く下に引っ張ると強く痛み、また、胸筋を静かにさわってみると、いたんだ筋の近くに痙攣がみられることがあります。
(2)肋間筋痛
- 肋間筋の一部が肋骨に付着している部位から無理に引き離された結果、そこに限局した痛みが生じたものです。
- 深呼吸や咳をすると、痛みが更に強くなりますので、微熱などがあると胸膜炎と間違われるおそれがあります。
- しかし肋間筋痛の痛みは一箇所に限定していて、指一本で正確にその場所を指摘できますので胸膜炎との区別ができます。
- この病変は、突然咳が出たり寝返りをしたり、ときには歩行中足をふみはずしたといったようなちょっとしたことでもおこります。
- 局所に局所麻酔剤を注射すればなおってしまう性質のもので心配ありません。
(3)肋骨骨折
- 肋骨骨折もしばしば胸痛の原因となります。胸部を強く打つと肋骨が折れて胸痛が起きるのは当然のことですが、老人やスポーツマンにみられる突発性骨折は、骨折したという自覚がないので、神経痛と思い込むことがあります。
- 肋骨が折れていると、肋骨に指をしっかり密着させてすべらせていくと、折れているところに限局して痛みを感じる部分(痛点)があります。
- 特に骨折がおこりやすいのは第5肋骨から第8肋骨です。
(4)肋軟骨炎
- この病気は20歳前後の、未婚の女性の胸痛の原因によくなります。
- 第1から第4肋軟骨部がはれて、圧痛があり、かぜなどにかかり、咳が続いたあとに多いといわれます。
- しかし、進行性のものではないので放置しておいても自然に治ってしまうため心配ありません。
(5)帯状疱疹
- 激しい胸痛をおこす病気の一つに帯状疱疹があります。
- この病気はヘルペスウィルスの感染でおこり、小児には少なく、年齢が増すにつれてその発生頻度が多くなり、50歳以上の年齢層に最も多くみられます。
- また、男性のほうがかかりやすい傾向があります。
- 胸部では肋間神経の走行と一致した皮膚面に、疼痛、知覚異常、知覚過敏が数日間続いてから、紅斑性皮膚炎があらわれ、引き続いて、その紅斑をもとにして小疱疹がからだの半身に生じます。
- この疱疹とともに、うずくような、突き刺すような神経痛様の激しい痛みがあります。
- 10日から5週間の経過でなおりますが、動脈硬化のある老人では、治ったあとで激しい神経痛様の痛みがあり、1ヶ月余りにわたって悩まされることもあります。
(6)乳腺炎
- 女性で、授乳期などに乳房に感染がおこると、乳腺炎をおこしますが、これは、乳房部に自発痛と、”しこり”感があり、その部分を押すと激しい痛みを覚えます。
- この病気になると乳房の表面の皮膚の緊張が増し、赤くなります。
- 悪寒や発熱などの全身症状をともなうこともあります。
- 治療法としては、吸引機で排乳を繰り返し、医師の指導の下に抗生物質を服用します。
(7)流行性胸膜痛
- これは胸膜の病気ではなく、コクサッキーB群というウイルスによる筋肉の感染症です。
- この病気にかかるのは、子供と思春期ごろの若い人が多く、突然、38〜9度の発熱とともに、胸筋や上腹筋に痛みが生じます。
- 胸筋がおかされると、呼吸をするたびに胸痛があるので肺炎や肺膜炎と混同されるおそれがあります。
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