結膜炎
(1)結膜炎とは
- 結膜炎には白目(球結膜)と上下まぶたの裏側の赤い部分(瞼結膜)とがあり、両者は奥で折れ返って続いています。
- 目の表面にある粘膜なので外からの刺激を受けやすく、涙で湿っているため病原体も繁殖しやすいところです。
- この部分に起こる炎症を結膜炎と呼んでいますが、充血とめやにが主な症状で、そのほかまぶたが腫れ、涙の分泌が増してきます。
- 結膜炎には大きく分けて伝染するものとしないものがあります。
(2)流行性角結膜炎
- 流行性角結膜炎はアデノウィルス第8型の感染によっておこります。
- アデノウィルスは消毒薬に対しては抵抗が強く、伝染は接触によるので、予防には石鹸と流水で手を良く洗うことが効果的です。
- 潜伏期は5〜7日、ときには2週と長いこともあります。
- まず充血が起こり、まぶたが腫れてきます。
- めやには多いのですが、涙のように薄いのが特徴です。
- 両目に同時に始まることもあり、片方の目からはじまることもあります。
- 片方の目から先に始まった場合は潜伏期間があるため、もう片方の目に伝わるのに数日の間隔があります。
- そして、あとから起こったほうの目は症状が少し軽くてすみます。
- 発病から4〜5日で病状は頂上に達します。
- しばしば耳の前のリンパ節が大きくなり、押すと痛み感じます。
- 結膜炎はふつうは2週間くらいでなおりますが、発病から1週間ないし10日目にごみが入ったような感じがし、光がまぶしく、視力も落ちます。
- そして角膜に小さい点々とした濁りができます。これを点状表層角膜炎とよび、結膜炎の大人の約半分に起こりますが、子供にはみられません。
- 流行性角結膜炎は洗眼も行わないのがふつうです。
- アデノウィルスに確実な効果をもった薬はなく、抗生物質は細菌が混合感染をおこすのを予防する役割しか果たしません。
(3)咽頭結膜熱(プール熱)
- アデノウィルス第3、7、11型などで起こり、結膜炎の症状は流行性角結膜炎に似ていますが、それよりもやや軽症です。
- 違うのは、結膜炎のほかに咽頭痛があり、38〜39度の熱が数日間続くことです。
- 多くは小、中学生の年齢層にかかります。
- 角膜炎は軽く、あとに濁りが残ることはまずありません。
- 夏期にプールを介して学校などで流行することがあります。
- この病気は流行性角結膜炎と違って、症状の消えた後も1ヶ月くらいの間は便の中にウィルスがでてくるといわれています。
(4)出血性結膜炎(アポロ病)
- 約1日の潜伏期を置いて急激に発病し、球粘膜に出血が起こるのが特徴です。
- 結膜炎の症状は強いのですが1週間前後で治ります。
- このウィルスは伝染力が強く、1969年西アフリカから始まり、世界各地で大流行を起こしています。
(5)トラコーマ
- 病原体はクラミジアという類に属します。
- 急性期には流行性角結膜炎に良く似ていますが、大きなろ胞ができるのが特徴です。
- 治療しない限り慢性になって長期間続き、結膜に傷跡を残して角膜に濁りをおこします。
- トラコーマは泌尿生殖器にも感染するため、新生児が産道で感染することがあります。
- エリスロマイシンやテトラサイクリンなどの抗生物質が良く効きます。
- 手や顔を良く洗い、清潔にすることが予防上大切です。
(6結膜ろ胞症
- 小、中学児童にしばしばみられます。
- 結膜にろ胞はありますが、めやにも充血もありません。
- トラコーマと違ってろ胞の個々が独立し、小さくて透明感があります。
- 治療は不要で、大人になると消えます。
(7)慢性ろ胞性結膜炎
- 結膜のろ胞に充血とめやにが加わるとこの病名がつけられます。
- ろ胞の性状からみてトラコーマと区別しますが、これと軽いトラコーマの区別は難しく、医師によって診断が食い違うことがあります。
- ろ胞はすべてトラコーマがもとでおこり、結膜ろ胞症、慢性ろ胞性結膜炎はトラコーマの不完全型だという説がありますが、これに反対する説をとる人もたくさんいます。
- 慢性ろ胞性結膜炎のめやにと充血は治療によって治ります。
- しかしろ胞は消えにくく、ろ胞症の状態で残ってしまいますが、伝染性はありません。
(8)アレルギー性結膜炎
- 化粧品、目薬、動物の毛、家ごみ、その他のアレルゲンに過敏な人に起こります。
- 充血、かゆみ、涙の増加などの症状があり、原因が除かれると速やかに治ります。
(9)新生児涙嚢炎
- 涙は涙点から涙嚢、鼻涙管を通って鼻腔へ出ます。
- この出口が閉じたままのことがあり、涙嚢のなかの涙が汚れて細菌が繁殖し、目元の皮膚を押すと涙点から膿が逆流します。
- この膿の刺激で慢性結膜炎が起こります。
- いつも涙ぐみ、眼脂が多いという乳幼児にはまずこの病気を考えます。
- 目頭のやや下よりを指で押してマッサージをし、これを1日数回繰り返していると涙が鼻へ抜けるようになることがあります。
- それでも治らない場合は、眼科医はブジーと呼ぶ金属の棒を通して治療します。
(10)さかさまつげ
- 幼児に良く見られますが、まぶたの皮膚が余分なため、まつげが眼球の側に倒れている状態です。
- 角膜や結膜がこすられるので充血が起こり、患児は光をまぶしがります。
- 軽いものは成長とともに治りますが、2〜3歳になっても角膜を傷つけるほど高度なものは手術が必要です。
- 手術は簡単で、皮膚に目立った傷跡は残りません。
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