胃・十二指腸潰瘍
(1)消化性潰瘍の原因
- 胃潰瘍と十二指腸潰瘍とは胃液分泌の状態などの点で差異がありますが、共通した点も多いので、よく消化性潰瘍という言葉が使われます。
- この言葉は胃液の消化作用を受けることによって、これらの病気が発生することを意味します。
- 消化性潰瘍ができる原因については昔から大変多くの研究が続けられていますが、完全に一致した見解はまだありません。
- しかし、共通していえることは「消化性」潰瘍とは胃液の中に塩酸が増し、ペプシンというたんぱくを分解する酵素の働きが活発になって、胃の粘膜を冒し、ついで潰瘍を作るという考え方であり、よく「酸の無いところに潰瘍はできない」といわれています。
- 潰瘍になりやすい体質というものがあるかということについては決定的な結論はでていませんが、頭脳を多く使い、常に緊張を強いられる職業の人には比較的多いことはいえるかもしれません。
(2)症状と診断
- 全国的に胃の集団検診が行われるようになった結果、消化性潰瘍は思った以上に多いこと、その中には無症状のものが少なくないこと、潰瘍の治ったあとの潰瘍瘢痕が見つかる人が大変多いことがわかっています。
- 消化性潰瘍の症状としては、潰瘍痛といわれるみぞおちあたりに限局する痛みと、吐血や下血などの出血、それに胸焼けなどの酸症状が潰瘍の3大症状といわれています。
- しかし自覚症状のない人も少なくないこと、特にいままでは殆んど異常を感じなかった人が突然吐血してはじめて潰瘍が発見されることがありますし、症状だけでは他の病気と区別できないことが少なくないので、少しでも症状があればきちんとした検査を受け、潰瘍を早期に発見し、正しい治療を受けることが大切です。
- 診断法としては精密なエックス線検査法と内視鏡検査法が最も大切であり、これによって潰瘍の存在は完全に発見できます。
- 十二指腸潰瘍はがんになることはありませんが、胃潰瘍では一見良性潰瘍の顔つきをしている早期胃がんではないかということを徹底的に調べることが患者の運命を分けることになります。
(3)治療と療養
- 治療には服薬による内科治療、出血時にはレーザーによる止血等の外科的治療とがあります。
- 服薬は抗潰瘍剤にいろいろな種類がありますが、問題はいったん潰瘍が治っても、薬の服用を打ち切ると再発がかなり高い確率で起こってくるということです。
- 潰瘍と診断されたら、もちろん医師による治療が一番ですが、根治するためには、食事療法、心身の安静が主体となります。
- 生活や職業上のトラブルからくる精神的なストレスをできるだけ除き、精神の安定を図るとともに、肉体的な負担も軽くなるよう心がけてください。
- 治療によって潰瘍は大変治りやすいものですが、また再発しやすいとも言われています。
- 潰瘍患者はいったん治癒しても、できるだけ長期に服薬もし、心身の休養、食事の注意を続けることが必要です。
- そして、治ったあとも定期的にエックス線検査などをうけて経過をきちんと管理することです。
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